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SBNR思考で日本文化を再解釈する

 

80億人に増加が予測される地球の人口。宇宙開発や5G、6Gなどの進展により世界はよりオンコネクト社会化しています。そして同時にSDGsなど自然環境との共生も重要なテーマです。世界中の国々がソーシャル・リーダーシップを発揮する中、私たち日本が世界に対してどんなポジティブ・インパクトを打ち出してゆけるかは今後ますます大きな課題です。本質的に人間社会の在り方が変化する現代、今こそ日本文化が持つ特性を活かし、日本ならではの思考と手法で地球社会に貢献をしたいと考えています。新たな価値デザインを開発してゆく上で私たちはSBNR化に注目しています。未来に向けた課題解決のために表層から深層へと現象を観察、分析し、その本質を見抜くことが重要であると考えています。
 

 

 

「文化」とは人間の精神活動の全て

 
文化には有形無形の切り分けは無く、精神活動の全てが文化であるといえます祭りから建築物、ファッション、生活様式、しきたり、食生活など全てが文化です。経済活動や政治活動も広く社会文化に含まれます。SBNR視点で文化を考える際、私たちは文化の背景にある事象や、精神的な価値基準、そして文化を形成している文脈などをしっかりと考察する必要があります。

 

 
 
文化は目に見えない 

 
文化を論じる際、最も重要な点は、文化の90%は目に見えないことです。それは文化を形成する多くの部分は価値観や観念といった深層領域にあるためです。表層的な部分はまさに文化の本質を知るための手がかりです。異文化との交流や国際理解を進める際に、文化の根っこを探究することは大変に重要です。そして文化を伝える際にも、文脈デザイン力を高めることこそがコンテンツ力に直結します。
 

 

 
日本文化は複層的で、世界からは理解されづらい 

 
エリン・メイヤー氏のカルチャーコンパス概念で示される通り、日本文化は非言語部分が多く、複層的な文脈で構成されており、いわゆる「空気を読む」ことにより理解されるという特徴があります。この事は他国の文化と比較すると非常にハイコンテクストであり、そのまま伝えても理解されづらい傾向があります。比較的シンパシー度があるSBNR層に対して日本文化をする場合においても、どう伝えるかという表現方法を強化工夫してゆかないと正確には伝わらない可能性があります。

 
 
 

 
 
脳が受け入れやすい状態をつくるSVR戦略 

 
文化を理解するのは脳です。ニューロンとシナプスの働きを促進させ、記憶を定着させるには、文脈立ててストーリー化する事で海馬への刺激を促し、視覚的に優れた情報を提供する事で非日常体験の時に分泌されるアセチルコリンの働きが重要であるとといわれています。

 
 

 
 
開国と西洋のジャパナイズド・ウェスタン現象 

 
日本は154年ほど前に開国し西洋化、近代化を推し進め、欧米型の価値観を輸入し今日まで来ました。しかしながら一方で開国によって広がった日本文化や思想は西洋社会にある一定のインパクトを与えました。武士道や自然観などの価値観レベルの事象から、浮世絵やポップカルチャーなどのコンテンツに至るまで、日本由来のインパクトはジャパナイズド・ウェスタンと称され、今日まで蓄積されてきました。こうした対岸での社会現象を正確に把握し分析をする事で、SBNR思考における日本のバリューを検証する事が大切です。

 
 

 
企業経営領域でも注目されるメディテーション 

 
BUCA時代の経営においてメディテーション・リーダーシップが高く評価されています。社会のルールが大きく変革する中で、他力型のリーダーや経営方針、マニフェストは不安定で軸足がぶれる傾向が強いといわれています。精神的な価値基準がしっかりとしているリーダーは不測の事態や社会環境の変化に対してもブレない判断が下せ、多様な価値観の社会を生き抜いてゆく事が出来ます。近年、こうした力を尊ぶCMO型の経営手腕が求められており、禅を始めとした日本型メディテーションへの注目が高まる要因ともなっています。

 
 

 
 
禅への再評価 

 
SBNR層に限らず、禅への評価が高まっています。他力から自力へのシフトにより問いの時代を生き抜いてゆく力をつけてゆくアプローチは幅広い分野において人間力形成に有効です。自らの価値観のモノサシをつくるトレーニングを通じて、レジリエンス力のある人格形成を進めてゆけます。禅の教えをヒントに様々な文化でイニシアチブを応用してゆく事が期待されます。

 
 

  
神社や仏閣の可能性の質的な変化
 

 
お遍路や熊野古道、出羽三山の修験道など日本人にとってこれまで祈りや供養、そして修行の場として存在していた神社が仏閣が海外のSBNR層から注目されています。デジタル・デトックスやネイチャートレイルなど、地域文化への配慮を行った上で独自の接し方が広がってきています。こうした文化キャパシティーの拡大を明確に検証し、可能性を検討してゆきます。

 

 
お山の知恵が地球を救う 

 
ユネスコ食文化創造都市に認定されている山形県鶴岡市では出羽三山のお山の知恵を背景とした山菜料理、つまり山伏ガストロノミーが定着しており、世界から注目されています。海外では小麦、大麦、とうもろこし、大豆などのプランテーション型の大規模管理系穀物が多く食されますが、日本には稲作以外に、自然の恵みを食する野草食の文化が定着しています。世界にはまだまだ食べられる野草が存在する可能性があります。また料理界でも皿の上の美食(On The Plate)から、地域デザインとしての食文化(Off The Plate)へとシフトが加速しており、日本各地に存在する郷土料理文化への関心や研究ニーズが高まっています。

 
 

 
藩校文化、郷土愛、祭りへの再評価 

 
マーシャルアーツ的な側面が強調されがちの武士道ですが、実は江戸時代に各藩ごとの藩校や学問所で教えられた人徳教育の体系こそが武士道です。藩ごとに独自の文化を形成してきた日本では、個性的な地域づくりを尊ぶ風土があり、郷土愛の形成を促し、地域ごとの祭りや独自の文化が発展しました。海外から高い関心がもたれている武士道の背景にある郷土愛の精神が再評価されています。